上級
ベース実行ファイル Java ターゲット¶
テスト対象はインストゥルメンテーションされていない、またはベース実行ファイルの Java ターゲットでしょうか? このレッスンでは、Mayhem を使用してベース実行ファイル Java ターゲットをテストする方法を順を追って説明します。
学習時間の目安: 15 分
このレッスンを終了すると、以下のことができるようになります。
- キャッチされない例外の欠陥があるベース実行ファイル Java ターゲットをコンパイルし、ファジングする。
- インデックス境界外の欠陥があるベース実行ファイル Java ターゲットをコンパイルし、ファジングする。
レッスンを駆け足で
始める前に前提条件を確認します。
-
java-base-executable.tgz をダウンロードし、
java-base-executable
Docker イメージをビルドし、指定された Docker レジストリにプッシュします。docker build -f Dockerfile -t <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable . docker push <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable
docker build -f Dockerfile -t $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/forallsecure/java-base-executable . docker push $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/forallsecure/java-base-executable
-
Mayhem UI または Mayhem CLI で次の Mayhemfile を使用して
java-base-executable
Docker イメージに対して Mayhem ランを実行します。1 2 3 4 5 6 7 8
image: <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable:latest duration: 120 project: mayhem-examples target: java-base-executable cmds: - cmd: /usr/bin/MayhemIt.jar @@ env: MFUZZ_JAVA: '1'
1 2 3 4 5 6 7 8
image: $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/forallsecure/java-base-executable:latest duration: 120 project: mayhem-examples target: java-base-executable cmds: - cmd: /usr/bin/MayhemIt.jar @@ env: MFUZZ_JAVA: '1'
以下が必要です。
- Docker がインストールされていること
- 有効なインターネット接続 (Docker Hub ベース イメージをプルするため)
ワン クリック テスト¶
下のボタンをクリックしてベース実行ファイル Java ターゲットのテストを開始します。最終確認ページに到達するまで [Next] をクリックし、[Start Run] をクリックします。
次のようなラン ページが表示されます。
Mayhem によるベース実行ファイル Java ターゲットのテストを確認したので、次に、どのように Java ターゲットがビルドされたのかを順を追って説明します。
スタンドアロンの Java ターゲットのテスト¶
ファイル: java-base-executable.tgz
上記の java-base-executable.tgz
をダウンロードして展開し、次のバグのある MayhemIt.java
プログラムを見てみましょう。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 |
|
main
関数のファイル処理をサポートするさまざまな Java ライブラリがインポートされ、入力テスト ケースが "bug" である場合にキャッチされない例外の欠陥でプログラムがクラッシュすることがわかります。
次に java-base-executable
がどのようにビルドされるかを見てみましょう。関連する Dockerfile
を見ると、以下のビルド プロセスがあるのがわかります。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 |
|
- 行 1: 必要な java 依存関係を収集するため、
amazoncorretto:8
ベース イメージがインポートされています。 - 行 2: Docker コンテナーに
MayhemIt.java
ソース ファイルがコピーされています。 - 行 5-11:
javac
コンパイラを使用してMayhemIt.jar
ファイルがコンパイルされています。 - 行 14: ビルドされた Docker イメージのデフォルト実行ファイルとして
/usr/bin/MayhemIt.jar
実行ファイルが設定されています。
Note
コンテナーで MayhemIt.jar
を実行するには、java -jar /usr/bin/MayhemIt.jar
を実行して JVM で jar ファイルを実行する必要があります。しかし、MayhemIt.jar
ファイルの Mayhem ランを実行する場合、MFUZZ_JAVA
環境変数に値 1
を設定して有効化します。これは、ランの実行時に Mayhem の JVM で jar ファイルを実行するよう Mayhem に指示します。そのため、Mayhemfile の CMD
呼び出しでは、java -jar
を指定する必要はありません。
次に、docker build
および docker push
コマンドを使用して、Docker イメージをビルドして Docker Hub レジストリにプッシュする必要があります。
次に、docker build
および docker push
コマンドを使用して、Docker イメージをビルドして Mayhem サーバーにプッシュする必要があります。$MAYHEM_DOCKER_REGISTRY
は、プライベートな Mayhem Docker レジストリの URL を表します。
docker build -f Dockerfile -t <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable .
docker push <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable
docker build -f Dockerfile -t $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/forallsecure/java-base-executable .
docker push $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/forallsecure/java-base-executable
Info
mayhem login
コマンドを使用して内部的な Mayhem Docker レジストリの URL を検索し、次のコマンドを使用して DOCKER_REGISTRY
環境変数を設定できます:
export DOCKER_REGISTRY=tutorial.forallsecure.com:5000
DOCKER_REGISTRY
環境変数に自身の Mayhem Docker レジストリ URL を設定する必要があります。
新しく作成した Docker イメージをパブリックな Docker Hub レジストリに正常にプッシュしたら、Mayhem UI から新規ランを作成し、<DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable
Docker イメージを検索します。Mayhemfile
が次のようになっていることを確認します。
新しく作成した Docker イメージをプライベートな Mayhem Docker レジストリに正常にプッシュしたら、Mayhem UI から新規ランを作成し、forallsecure/java-base-executable
Docker イメージを検索します。Mayhemfile
が次のようになっていることを確認します。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
|
1 2 3 4 5 6 7 8 |
|
新規ラン作成フローの最終確認ページに到達するまで [Next] をクリックし、[Start Run] をクリックして Mayhem ランを実行します。次のようなラン ページが表示されます。
おめでとうございます! ベース実行ファイル Java ターゲットのテストが成功しました。
⚡ 現実的な演習: mayhemit-out-of-bounds
ベース実行ファイル Java ターゲットのコンパイルとテスト¶
キャッチされない例外の欠陥がある Java ターゲットのビルドおよびテスト方法がわかったところで、ソース コードを修正してインデックス境界外の欠陥を検出できるかどうかやってみましょう。
ファイル: mayhemit-out-of-bounds-unsolved.zip
手順
MayhemIt.java
ソース コードを変更し、最大長の制約を追加してインデックス境界外欠陥を実装します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
|
docker build
コマンドを使用してDockerfile
を再ビルドし、結果の Docker イメージを<DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
としてタグ付けします。docker tag
およびdocker push
コマンドを使用してパブリックな Docker Hub レジストリに<DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージをプッシュします。- Mayhem UI または Mayhem CLI を使用して
<DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージをファジングします。Mayhemfile
が適切に設定されていることを確認します。
docker build
コマンドを使用してDockerfile
を再ビルドし、結果の Docker イメージを$MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
としてタグ付けします 。{: .enterprise }docker tag
およびdocker push
コマンドを使用してプライベートな Mayhem Docker レジストリに$MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージをプッシュします。- Mayhem UI または Mayhem CLI を使用して
$MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージをテストします。Mayhemfile
が適切に設定されていることを確認します。
🔍 確認mayhemit-out-of-bounds
ベース実行ファイル Java ターゲットのコンパイルとテスト¶
解答
模範解答: mayhemit-out-of-bounds-solved.zip
まず、main
関数をファジングしたとき、入力テスト ケース "bug" がインデックス境界外エラーを発生させるよう、最大長の制約 input.length() < 5
および誤った呼び出し input.charAt(10)
を追加します。
Note
他の境界外の欠陥が起こらないよう、条件として input.length() >= 3 && input.length() < 5
を設定しています。たとえば、単に input.length() < 5
を条件に設定した場合、行 23、 24、25 で追加のインデックス境界外エラーが発生する可能性があります。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 |
|
次に、Dockerfile
と同じディレクトリで docker build
コマンドを実行し、結果の Docker イメージに <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
というタグを付けます。
次に、Dockerfile
と同じディレクトリで docker build
コマンドを実行し、結果の Docker イメージに $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
というタグを付けます。
docker build -f Dockerfile -t <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds .
docker build -f Dockerfile -t $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds .
次に、<DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージにタグを付けてパブリックな Docker Hub レジストリにプッシュします。
次に、$MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージにタグを付けてプライベートな Mayhem Docker レジストリにプッシュします。
docker push <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
docker push $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
別の方法として、付属の Makefil を使用し、
MAYHEM_DOCKER_REGISTRY` 環境変数を設定して次のコマンドを実行することで、簡単に結果の Docker イメージをビルドし、プッシュすることもできます。
make build
make push
最後に、Mayhem UI または Mayhem CLI を使用して、アップロードされた <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージに対して Mayhem ランを実行します。Mayhemfile
は次のようになっているはずです。
最後に、Mayhem UI または Mayhem CLI を使用して、アップロードされた $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds
Docker イメージに対して Mayhem ランを実行します。Mayhemfile
は次のようになっているはずです。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
|
1 2 3 4 5 6 7 8 |
|
最終的なラン ページは次のように表示されるはずです。
おめでとうございます! Mayhem がインデックス境界外の欠陥を発見しました。スクラッチからベース実行ファイル Java ターゲットをビルドし、Mayhem を使用してバグを検出できました。
✏️ まとめと振り返り¶
このレッスンでは、Mayhem でベース実行ファイル Java ターゲットをファジングする方法を学びました。
学習内容
1. キャッチされない例外の欠陥があるベース実行ファイル Java ターゲットをコンパイルし、テストする。
-
ソース コードには次の欠陥が含まれているはずです:
1 2 3 4 5 6 7 8
if (input.length() >= 3) { if (input.charAt(0) == 'b') { if (input.charAt(1) == 'u') { if (input.charAt(2) == 'g') { throw new RuntimeException("Made it to the bug!"); } } }
-
ベース実行ファイル Java ターゲットをファジングするには、次の
Dockerfile
およびMayhemfile
を使用して Java プログラムを含む Docker イメージをビルドし、Mayhem でファジングを実行します。1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
FROM fuzzers/jazzer:0.9.1-openjdk11 COPY MayhemIt.java . # Build MayhemIt.jar RUN mkdir -p build && \ javac -d build MayhemIt.java && \ cd build && \ jar cvf MayhemIt.jar * && \ mv MayhemIt.jar /usr/bin/MayhemIt.jar && \ rm -rf build # Set to fuzz! ENTRYPOINT [] CMD [ "/usr/bin/jazzer_driver", "--cp=/usr/bin/MayhemIt.jar", "--target_class=mayhemit.MayhemIt" ]
1 2 3 4 5 6 7 8
image: <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable:latest duration: 120 project: mayhem-examples target: java-base-executable cmds: - cmd: /usr/bin/MayhemIt.jar @@ env: MFUZZ_JAVA: '1'
1 2 3 4 5 6 7 8
image: $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/forallsecure/java-base-executable:latest duration: 120 project: mayhem-examples target: java-base-executable cmds: - cmd: /usr/bin/MayhemIt.jar @@ env: MFUZZ_JAVA: '1'
2. インデックス境界外の欠陥の欠陥があるベース実行ファイル Java ターゲットをビルドし、ファジングする。
-
ソース コードには次の欠陥が含まれているはずです:
1 2 3 4 5 6 7 8 9
if (input.length() > 3 && input.length() < 5) { if (input.charAt(0) == 'b') { if (input.charAt(1) == 'u') { if (input.charAt(2) == 'g') { char x = input.charAt(10); } } } }
-
ベース実行ファイル Java ターゲットをファジングするには、次の
Dockerfile
およびMayhemfile
を使用して Java プログラムを含む Docker イメージをビルドし、Mayhem でファジングを実行します。1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
FROM amazoncorretto:8 COPY MayhemIt.java . # Build MayhemIt.jar RUN mkdir -p build && \ javac -d build MayhemIt.java && \ cd build && \ jar --create --file MayhemIt.jar --main-class mayhemit.MayhemIt * && \ chmod u+x MayhemIt.jar && \ mv MayhemIt.jar /usr/bin/MayhemIt.jar && \ rm -rf build # Set to fuzz! ENTRYPOINT [] CMD [ "/usr/bin/MayhemIt.jar", "@@" ]
1 2 3 4 5 6 7 8
image: <DOCKERHUB_USERNAME>/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds:latest duration: 120 project: mayhem-examples target: mayhemit-out-of-bounds cmds: - cmd: /usr/bin/MayhemIt.jar @@ env: MFUZZ_JAVA: '1'
1 2 3 4 5 6 7 8
image: $MAYHEM_DOCKER_REGISTRY/java-base-executable-mayhemit-out-of-bounds:latest duration: 120 project: mayhem-examples target: mayhemit-out-of-bounds cmds: - cmd: /usr/bin/MayhemIt.jar @@ env: MFUZZ_JAVA: '1'